「日常日情似血定」
お酒が好きで(あまり強くないけど;)オタクなので、いい感じの名前の酒を見つけるとつい買ってしまいます。
イーグルホークっていうワインがあるんだ!おいしいです。
カプの前後もばっちりです(笑)
続きは鷹一っぽい鴨ジムまったり話です。一歩好き!いきなり始まっていきなり終わる突発文です~。
お酒が好きで(あまり強くないけど;)オタクなので、いい感じの名前の酒を見つけるとつい買ってしまいます。
イーグルホークっていうワインがあるんだ!おいしいです。
カプの前後もばっちりです(笑)
続きは鷹一っぽい鴨ジムまったり話です。一歩好き!いきなり始まっていきなり終わる突発文です~。
一歩が叩くサンドバックの音は尋常でない。端で聞いていても痺れる衝撃波を伴っている。今日の鷹村は機嫌が良かった。なので何の気なしに、練習の鬼化している一歩の頭を両手で挟んでかきまぜた。
「いい音させてるじゃねえか」
コシの強い直剛毛をぐちゃぐちゃにされながら一歩は、背後の鷹村を背を逸らして見上げ、大きな目を瞬かせた。
「機嫌いいすね、今日」
音程の外れた鼻歌を聞きとがめて青木が声をかけてくるのに、鷹村は鼻穴を膨らませる。
「あーん?まあな、有名人はつれえよお」
首根っこ捕まれ流れる動作のままに締め上げられながら聞かせてもらったところによると、女子高生に握手を求められたのだという。はあ、と気のない相槌を打ってしまった青木は、そのまま鷹村の上腕筋と側手筋に押し潰された。
「あっちも機嫌いいじゃん」
鼻血を出して床に転がる、視界にして45度を占める青木の骸を目に入れぬよう、残り315度を見渡していた木村がふと気付く。
何ですか?と一歩が振り向いた。
「にこにこしちゃってえ」
「ふご」
木村に鼻の頭をぶしぶし突かれ、呻きながら後退する一歩。
「何だ一歩!貴様もか、貴様もなのかあ」
鷹村が巨大なダミ笑い声を響かせながら、よろよろと後ずさる体を捕まえて羽交い絞める。
「女子高生か!?女子大生か!?連絡先聞いただろうな!?」
「痛い痛い痛いですよ」
「鷹村さん、泣いてますから」
木村なりの後輩への思い遣りなのか、とりあえず鼻血を出す前に助けてもらえる一歩であった。
「逆ナン!」
「されてませんよ!」
されるわけないでしょー、と卑屈涙混じりに叫ぶ一歩に、木村鷹村両名は「なあんだ」と冷たくも白け顔の白け声だ。鷹村と同調しているあたり、木村のさきほどのフォローも架空の一歩ナンパ相手目当だったであろうことが薄っすら伺えて物悲しい。
「じゃあ何をニヤニヤしてたんださっきから、ん?」
鷹村が、自分こそがニヤニヤしながら一歩の頬を人差し指で突付く。
一歩は拗ねたような表情で鷹村を睨んだ。
「お、何だ」
受けて立つ鷹村へ、一歩はむにゃむにゃ口を開く。
「褒めてもらえたから」
「ん?」
「さっき、鷹村さんに」
鷹村は目を見開いて、凝固した。
「焼肉食いいっぞー!」
世界獲ったぞレベルの音量でがなりながら出て行く鷹村に、
「マジでオゴリスか!」「やりー!」「わあい!」
ばんざいしながら青木村プラス板垣が従ってついてゆく。
一歩はひとり、とぼとぼと、最後にジムの戸を潜った。
うきうき遠ざかってゆく先輩後輩らの後をやはりとぼとぼと追いながら、
「なんで殴られたんだろう」
つむじあたり、遠慮のない拳骨を落とされた箇所をさすりさすりついてゆく。
「鷹村さん、今日まじ機嫌いいな」
「女子高生?」
「プラス一歩」
軽口を叩く青木村板垣の会話はもちろん一歩の耳に入らず、焼肉屋で何故自分の皿にばかり鷹村が肉を焼けた端から山と盛っていくのか理解できず、目を白黒させながら食べたり飲んだり苦しかったり。
それでも大変おいしくて嬉しかったので、一歩は頭の痛みを忘れて幸福に過ごした。
レジの際に一人一つずつもらった飴は、何故か全て一歩の手に集まった。
おしまい。
(2009.2.7)
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