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2025/01/09 (Thu)
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2010/10/13 (Wed)
「●続 no title(いただきもの!宮一)」
Comments(0) | 一歩(宮一)

b!!! のナマたまアヤコ様からいただいた、木一学園パラレルの続編です。こちらの続編は宮一っぽさが割増でみぞおちにきます。

はあたまらん
座敷わらしたまらん
そして木一!そう木一です、そして宮一が幼馴染で千一の匂いもするんだ よー!!!
はあたまらん
ありがとうございました…!




 続 no title



「あ、おはよう、宮田君。昨日はお疲れさ……」
教室に入ってきた宮田に笑いかけた一歩は、全てを言いきる前に宮田に痛いほど強く手首を掴まれた。
「ちょっと来い」
「えっ何っ!?」
訳も分からないままにずんずんと引っ張られた。
足をもつれさせながら一歩が見上げた宮田の表情は、とにかく不機嫌そのものだった。
痛む腕の抗議は勿論、どこへ行くのかも聞けないほどの怒りのオーラが宮田の全身に漂っていた。
朝が強くない宮田は、大抵教室に入って来たときはけだるそうにしている。
特に昨夜は遅くまで肝試し大会があったのだから、いつにもまして眠そうな顔でやってくると思っていた。
ところが、宮田の目は微睡むどころか吊り上がり、少し充血している。
もしかして、昨夜の肝試しでペアの女子と何かあったのだろうか。
でもだったらどうしてボクが引っ張られてるんだろう。
不思議に思いながらも、一歩は転ばないように足を前に出すのが精一杯だった。
宮田は一歩を引きずるように階段を一段飛ばしで上がり、屋上に出た。
真っ白に見える真夏の太陽は、今日も暑くなるだろうことを教えてくれた。
陽光を反射させる屋上のアスファルトが眩しい。
一歩が目を瞬かせていると、宮田は一歩の肩を掴んで屋上の扉に押し付けた。
「お前、何考えてんだよ」
逆光で宮田の表情はよく分からなかったが、声が途轍もなく低い。
「ボク、何かした……かな?」
背中にじっとりと、暑さ以外の理由から来る汗を感じながら、一歩は辛うじて呟いた。
「何かしたか、だと?」
一歩の肩を掴む宮田の手が怒りで震えているのを感じる。
思わず目を瞑ってしまった一歩から、宮田は一瞬体を離した。
一歩がそろりと目蓋を開けると、宮田は携帯電話を弄って、一歩の眼前に突きつけた。
そこにあった画像は、昨夜の自分の写真だった。
身の丈に合っていない浴衣があまりにも格好悪く思われた。
「なっ…!!!なっなななんでっ!?」
一歩は驚きと恥ずかしさで、一気に頬が紅潮していくのを感じた。
「それはこっちの台詞だ。何だよこれは」
「これはその、ちょっとしたアクシデントと言いますか、魔が差したと言いますか…」
まるで浮気を問いつめられたかのように、しどろもどろで一歩は呟く。
もじもじと指先を合わせながら、どうして自分が責められているのかと少し疑問に思った。
「人前でこんな格好してんじゃねーよ!」
「ボ、ボクだって自分からしたわけじゃないよ!木村さんが着ろって言うから……」
「木村さん?」
てっきり写真の出所は木村だと思っていた一歩は、きょとんとしてしまう。
「千堂に着せられたんじゃないのか」
「違うよ。千堂さんには見られちゃったけど、お化け役が足りないからって木村さんに言われて…。ホラ、ボク木村さんとペアだったでしょ」
「それでお前……この格好で木村さんと回ったのかよ」
「え……う、うん」
「ふっざけんなよ」
「ひぃーごめんなさいっっ」
相変わらず理由は分からないが、余程宮田の美的感覚を損ねたとか何かだと考えて、一歩は謝った。
縮こまって目を瞑る一歩に、宮田は盛大に舌打ちをすると、くるりと背を向けた。
そのまま一人屋上を出て行ってしまう。
慌てて後を追いかけた一歩は、宮田が教室ではない方向に歩いていくのを見てその背中に声を掛けた。
「み、宮田君、どこ行くの?もうすぐ朝のホームルーム始まっちゃうよ」
「お前じゃ話にならねぇからな」
ちらりと振り返ってそれだけ言うと、宮田は上級生の校舎へと向かって行った。










夏はどうしてこうも全てのエネルギーを削がれてしまうのか。
思いながら木村はだらだらと登校していた。
普段なら制服を着た黒ずくめの生徒達で埋まるこの通学路は、今日は木村一人しかいない。
なぜなら、登校時間はとっくに過ぎていたからだ。
太陽は木村の旋毛をジリジリと焦がすように照っていた。
もうすぐ2時間目が始まろうかと言うところ。
木村は全く急ぐ様子もなく、途中コンビニで買ったアイスの棒をいつまでもくわえたままずりずり音を立てて歩いていた。
欠伸が止まらない。
昨夜は肝試し大会が終わった後も片付けや打ち上げで、結局家に着いたのは真夜中だった。
その次の日に普通に授業とかあり得ないだろう、あり得るはずがない。と結論づけて、今日は重役出勤である。
「かったりぃなぁ~」
伸びをするだけでじっとりと汗を掻く。
いっそこのまま帰ろうかとも思ったとき、後ろから声を掛けられた。
「おはようございます~」
「おー千堂。お前も"お早い"な」
「そら昨日あんだけ騒がせてもろたんで」
千堂は笑って頭を掻いた。
昨日の打ち上げでは千堂が見事な宴会部長となって、場をひたすらに盛り上げた。
"麦のジュース"や"米のジュース"も手伝って、近年になく大成功の打ち上げだった。
実行委員の木村としては、大成功するのは打ち上げではなくイベント本番であって欲しかったわけだが、おかげで自分も楽しめたのでよしとする。
「あ、例の幕之内の写メ、おおきに!木村さんならきっと撮ってるんやないかなーと思って大正解でしたわ」
「どういう意味だよ」
「抜け目ないっちゅーか、むっつりっちゅーか」
悪びれず言う千堂の頭をポカリとやって、
「いかがわしい事に使うなよ」
と言ったが、千堂は笑っただけで答えなかったので、木村はもう一度ポカリとやった。
「自慢したろと思て、あの写真宮田にも送ってみたんですわ。そしたら相当悔しかったみたいで、いきなり着信拒否られてもーて」
自分で話しながら吹き出しそうになっている千堂に、反して木村は苦々しい気持ちになった。
「余計なことしやがって……」
ボソリと呟くと、千堂が聞き返してきたが、木村は何でもない、と言って手を振った。
校門を通ると、ちょうど2時間目の予鈴が鳴っていた。
「ほな、ワイ次の体育プールなんでお先に~」
「おーおーよくやるなぁ」
「幕之内と競争する約束なんで!ほな!」
千堂は走って校舎内に消えていった。
木村は重い溜息を吐く。
やっぱり来なきゃ良かった。
これから待ち受けるであろう事を想像して、かったるさが一気に増した。
校舎の中はヒンヤリと涼しかったが、全く心地よくない。
下足を履き替えてぺたぺたと廊下を歩く。
教室の前には、想像していたとおりの人物が、想像していたとおりの腕組みした格好で待ち構えていた。
一体いつからいたのか、待たされたことで怒りは随分増幅しているようだった。
非常に面倒臭いことになったと思いながら、木村はそれでも表情には出さず片手を挙げた。
「よぉ、宮田。おはようさん」
木村はすっかりふやけたアイスの棒をくわえた口の端を持ち上げた。
充血した目で睨み付けてくる宮田の鬼神のような姿に、実はもう1枚、少し下から舐めるように撮った自分でも会心の1枚があることは絶対にバレないようにしようと木村は誓ったのだった。















後書

ヘビロテで通っている一歩SSブログ b!!! のナマたまアヤコ様からいたがきました!
アヤコさんの木一が大好きで、そして学園パラレルの設定も大好きで、
小さい浴衣を無理矢理着ている姿を木村さん千堂さんに愛でられる一歩…たまらない!
もしそれを幼馴染の宮田くんが知ったら大変だ…!と、
萌えの赴くままに絵まで描いて上記の妄想ラブコールに添付して送ったところ
すごいものをいただいてしまいました…!
めちゃくちゃ続き読みたいです!という心の声が伝わったのですね…
強請りに近かったかもしれません…ごめんなさいありがとうございます!
やったーやったー!
宮田くんが俺様なのにものすごくかわいそうで不憫でなりません…ニコ!
この木一で宮一で千一で時に真一もある、心臓打ち学園パラレルの御本家 b!!! さまは、こちらです。

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