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2014/10/10 (Fri)
「必殺ミザリーアイアンクロウ」
Comments(0) | ハイキュー!!
岩泉女体化の及岩小説です。
夏の一番暑い時期に浮かされて書いてたのですが、すっかり涼しくなって、途中で進まなくなってどうしようかと思いつつなんとかできあがったものです・・・。高校1年か2年の夏の話です。
及川さんのへたれダメぶりが相当いかんともしがたいレベルになってきているので、かっこいい及川派の方はご注意を~!

必殺ミザリーアイアンクロウ




岩泉一の眉毛は太い。手入れ知らずである。その眉と目との間隔は一見して狭い。つまり眼窩の造作が意外と彫り深いのだ。眉間には今、深く皺が刻まれていた。猫科の気配を帯びた瞳が黒光りして、漂わせる剣呑な気配、きつく閉ざしていた唇を重たげに開き、血に飢えたような唸り声がほとばしる。
「・・・・・・・・・暑い・・・・・・」
8月某日、午後3時だ。猛暑である。耐えに耐えてから吐き出した魂の声は重かった。
「んもーねー暑いよねえ今年おかしいよねえ。去年も同じ事言ってたけど夏って絶対おかしいもん意味がわからないよ頭ぼーっとしない?やばいよ~。やばいよ~」
及川が隣からよたよたと被せてきたので、岩泉は再度口を閉ざした。このぐちぐちした野郎と同類にはなりたくない。その一心である。
日曜練習の帰りだ。午後から消防点検が入るとかで、やや中途半端な時間帯に解散となった。動き足りない。しかしこの気候湿度たるや人の精神力を削ること炎の如しである。体育館の中はけっこう地獄であった。
そこから開放された安堵と、とは言え現時点で容赦のない紫外線照射に頭が沸かされて、岩泉の口はまたちょっと軽くなる。
「しにそー・・・」
「したらさ岩ちゃん、ウチ寄ってかない?」
もう少し行けば、及川家と岩泉家の分岐路だ。寄って行けと言う。
「ん?」
首をかしげながら岩泉が下から伺うと、及川はにんまりした。
「いいものがあるんだよ」
なんだと思う?と勿体ぶる及川に、岩泉の首の傾斜は深くなる。
「・・・・・・クーラー変えたとか?」
「ちがいますー」
「・・・・・・そうめんがありすぎて減らないとか?」
「ぶっぶーもう全然ちがいますうー」
「うぜえ!!」
岩泉は吠えた。
「うざり方が地獄級なんだよお前うざさの申し子か!?結晶か!?人類に等分に与えられる予定のうざさが偏ってんだよお前に!!自粛しろよダボが!!暑苦しいんだよ見たらわかるだろうがゲボが!!!」
「ちょっ、ひど、ちょっ、滑舌がいい無駄に!」
「あいうえおっ」
怒鳴りながら繰り出された平手打ちを頬にマトモに受けて及川がよろめく。
「ひ、ひど・・・あの・・・普通に殴られるより、一番傷付くから、ビンタて」
もみじの痕を押さえながら半泣きになる幼馴染に、岩泉は肩で息をしながら詫びた。
「ごめん、なんか頭煮えてすげーキレやすくなってるから自重して」
「う、うう」
いちおう、高校バレー界隈では王子とか貴公子とか言われ尽くして名も売れた秀麗の男が涙ぐむ。とてもかわいそうだ。
「ゴメンな。でも今度めんどくさい事言ったら往復で張るからな?お前が気をつけろな?」
「わかったよ怖いよー」
そう及川は了解してふるふるし、「あのね」と本題を引っ張り戻す。
「お母ちゃんがカキ氷器買ってきたの、なぜか突然昨日」
「かきごおり!」
及川の眼にしか見えぬ、岩泉の頭から生えた一対の猫耳が、ぴいんと尖った。
「氷も作ってあるから初始動に付き合わない?」
「カキ氷食べたい、わー!いく、いく」
なんと、岩泉はその場で跳ねた。ぴょこん、の一回が、現役女子バレー部員にしてエーススパイカー様だ、浮いたかと思うくらいの跳躍力と滞空時間である。チェックのプリーツスカートがほとんど太腿の上部までふんわり浮かんで螺旋を描き、着地と同時にはらはらと白い膝上へまとわりついてゆく。
「おれ、カルピスかけて食べてみたい」
犬歯を覗かせてはにかむ岩泉がいきなりかわいくて、及川はその場に膝をついた。
「は!?え!?及川どうした大丈夫か!!」
「・・・っゴメンネ何でもないヨそう何でもないんだ・・・」
「熱中症じゃないだろうな!?」
君にね。とはさすがに言えない、うざいこと山の如しと云えども言えない。
「早く日陰行こう、帰ろう!」
大慌ての岩泉に襟首を掴まれて半ば引き摺られつつ、及川はくっきりと青い上空を見上げたのだった。・・・夏だからね!





「お邪魔します」
と律儀に奥へ声をかけてから、岩泉が軽快に片足を上げてスニーカーを脱ぐ。
「おばさん、パート?」
「うん、まー遠慮しないで上がって」
「うス」
脱いだ靴の踵を揃える岩泉。及川はそれを置いてリビングに突入しクーラーの電源を入れ、キッチンを覗いた。シンクは空だ。食器棚から普段使いのグラスを出して、コンロに置きっぱなしの薬缶から麦茶を注ぐ。そこに冷凍庫から手掴みで氷を放り込み、取って返した。リビングの入り口でクーラーの冷気を浴びていた岩泉に手渡す。
「これ飲んでちょい待ってて」
「さんきゅ」
またたくまに汗をかいてしまったグラスを両手に持ち、くーっと煽るその喉を見届けてから、自室へ駆け上がる。転がり込むと、窓を全開にしてこちらのクーラーも点けた。制服の尻ポケットから携帯を取り出してメールを検索する。昼前に母から届いたものだ。受信トレイの一番上にある。
『午後のパートさんの都合が悪くなってしまったので、帰りは夜の7時になります。冷蔵庫にカレーがまだあるので、お腹がすいたら食べてね』
及川は鋭い動きで目覚まし時計に視線を向けた。3時10分を指す文字盤を見つつ、指を折って数える。
「・・・4時間弱」
指折り数えた手を拳に握り直して呟き、脱ぎ散らかした寝巻きを団子にして押入れに放り込みがてら、ファブリーズを取り出してソファ代わりの万年床と座布団、座椅子、カーテンに数プッシュ。押入れの引き戸を開閉する動作がやたらとスタイリッシュに効果音もスパンヌと気持ちよく決まった。
「よし」
謎の気合を入れながら窓を閉めて冷房の温度を適温に調節し、岩泉が見逃して嘆いていた深夜バラエティの録画DVDをデスクに用意する。夏の特番だけあってちょいとホラーぎみの後味が悪いコーナーもあったけれどいいんじゃないかな、俺がついてるし布団もファブったし今夏だし!!
パソコン周りを除菌クリーナーでざっと拭き、床もコロコロでコロコロし、全体を見渡してから一つ頷く。部屋を飛び出した。
「いーわちゃん」
おまたせ、と額に汗しながら階段を駆け降りた及川が目にしたものは、靴下を両手にぶらさげた岩泉だった。
蒸れるから脱いじゃったのだろう。少しだけばつの悪そうな顔をして内股になる。両足の指が、もじ、と蠢いて重ねられる。小さな指に、桃色の爪だ。それが、きゅーと小さく床を掴むように丸められて、
「なに?」
・・・・・・えっと。
こんなことで、頭が真っ白になるのだ。えっと。
ぴんぽーーーん、とチャイムが鳴る。及川の足の裏が一瞬床から浮いた。
玄関の、インターホンだ。
二人して廊下の向こうを見、それから視線を合わせる。
「宗教の勧誘、最近多いんだよ」
及川が言えば、岩泉は「ああ、うちも」と頷いた。
では居留守を使おうという空気を岩泉が飲みかけたところに、ぴんぽんぴんぽんぴんぽんぴんぽんと連打が始まる。尋常でない。
「知ってる人なんじゃねえの?」
促せば、及川の口角が禍々しく吊り上がった。
「かき氷機で人間が削れるか実験してほしいらしいな」
「おい、怖いこと言うな」
のしのし玄関へ向かう及川の背を、ぽこぽこ殴りながらついてゆく岩泉。
ぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽぴぽ
「はいうるさいよーーーーー!!!」
連打によるチャイム音の嵐の中、及川が扉を叩き開けると、
「おっす!徹!」
「たけるーーー!!!?」
「あら帰ってたの徹」
「ね、ねーーちゃーーーーーーん!!!?」
姉と甥だった。及川は尻餅をつきそうになる。
「えっ、えっ、なんで」
「母さんからかき氷機買ったってメール見て、猛が行きたい行きたいってなっちゃって、ちょうど私も着物借りてたの返さなきゃだったし、あらはじめちゃん!」
及川の背後にいた、岩泉が見つかった。
及川家の姉は弟と同様、面立ちが母親に似て美しい。芸能人ばりの華が、満面の笑顔になると5割増しで、それを向けられた岩泉は「ひゃー!」と背筋がまっすぐになる。
「久しぶりねー!やだはじめちゃんがいるって知ってたらケーキとか買ってきたのに!いらっしゃい、あがって!ていうか私か!あがるね!ハイ猛靴脱いで~」
「いわちゃああん」
小さい靴を蹴り飛ばして、猛が岩泉に突進する。勢いよく腰に抱きついた。
「いわちゃんだあ~~~やったー!!」
「久しぶりだな、元気だな猛ー」
幼子の坊主頭を撫でくる岩泉。一気に玄関口が盆か正月の風景っぽくなる。
「なっ、なに」
及川の喉は震えた。
「なんなの」
気がつくと一人、玄関先に取り残されている。開け放たれた扉の向こうに見える真夏の空が青い。
背後から、きゃっきゃと3人のはしゃぐ声が聞こえてきた。
「ちょちょちょちょちょっと、ちょっと」
慌てて玄関の扉を閉めて甥っ子の蹴飛ばした靴を揃え、リビングへ取って返す。
「ちょっと姉ちゃん、来るなら連絡の一つもさあ」
「はじめちゃん、なんだか前に会った時よりおっきくなったみたいね~」
「ええっ」
弟の苦情を遮って姉の発した一言に、岩泉の頬が薔薇色に染まった。腰に猛をまとわりつかせたまま、爪先立ちになる。
「ほ、ほんと?時々測ってるんだけど、ちょっと伸びたかもって思ったり、そうなのかな?ほんとに伸びたかな?」
「うんうん」
微笑ましげに頷きつつ、及川姉は、喜色満面に身を乗り出した岩泉の胸を諸手に鷲掴んだ。
下から掬い上げるように一切の迷いもためらいもなくの激掴みだ。ふくらみが持ち上げられて、ブラウスの上部に皺が寄り、曲線があらわになる。
柔らかそうに膨らんだ双丘の先端がふくふくと尖っているのを、細い指が掴みしめて、歪な形に変えていた。岩泉の、眼下に広がる、光景だ。
「みあーーー!!?」
岩泉の口から、出した事のない種類の悲鳴がとどろいた。唇が震えている。成す術も無く見下ろしている目は皿のように丸い。細い指が、ぐぐっと食い込んだ。一回揉みしだいたのである。
「みゅっ」
更に変な声が出た。
姉の手首を、及川が掴む。
引き剥がして、硬直している幼馴染を背後に庇った。
「姉ちゃん、やめろ」
「だってぇ」
両手をわきわきさせる姉に、及川の額に血管が浮く。
「だってじゃねえ」
「だっ、だっ、だ、だいじょぶ」
背後から、切羽詰った声がする。岩泉が、及川のシャツの背を引いていた。
「へ、へいき」
血の上った顔、目尻に涙の珠が浮いている。
「びっくりした」
「岩ちゃん」
ぐっ、と喉が渇く。同時に何かがこみあがってくるのを飲み込み、無意識に手が肩へ伸びそうになる及川の背を、
「Dの70ってとこね」
姉の言葉が貫いた。


D?

ABCD、D?
ダイナマイトのD?
タイヤモンドのD?
ダイナソーのD?


岩ちゃん。
さすがだよ岩ちゃん。
マジでか岩ちゃん。
順調に育ってしまって岩ちゃん。
いや薄々わかってはいたよ部活の時とか日によってはアスリート用のなんかそういうアンダーで潰してるっぽいけど実はなかなかおっぱいだよねとは見てますよだって男だもん見るじゃん?ただね?俺はその内側にある心臓が愛しいの、一番愛しいのはソコなの、ソレが内側にあるからすごくそのぷっくりしたとこも愛しくってっていうか形がイイ形してるよねとは思ってたよ?だって男だもんそこは見るじゃん?ふくん、ふくん、って内側からカワイイものがふくらんだみたいなあーなんでこんな育っちゃったかな、こんなぷくぷくに育たなくったって俺君のこと、君のこと、Dか、そうかDか。



「何を見てんだ」
思わず視線が顔より下に落ちて固定されてしまった及川の顎を、岩泉の右手が掴んだ。みしみしと骨の軋む感触がする。
「たたたたたたたたたごめごめ見てな、見てない、みてない」
「次は目を狙うからな」
投げ捨てるように顎を放られた。
「イダイッ」
「ふんだ」
そっぽを向く岩泉の胸に、小さい手がそっと添えられる。ふにふに、と数回その手が下乳を押して、
「ぽよぽよ」
「はじめちゃんスポブラ?そろそろちゃんとこうリフトアップしてくれるやつ買ってさあ」
「親子そろっててめえらあああー!!!」
及川は甥っ子を岩泉から引き剥がす。岩泉は静かな顔で、両腕を交差させて我が乳を隠した。
「あの・・・・・・やめて・・・・・・」
「岩ちゃんなんでそんな姉ちゃんと猛には制裁が柔らかいの!!?ていうか俺揉むどころか触ってすらないじゃんなんで俺にだけそんな厳しいの!!?」
「徹・・・」
よりによって猛が、すごく気の毒そうな顔で口を挟んでくる。
「あの、徹・・・。あたりまえだろ・・・」
低学年児童の正論に、及川はまたも膝を着いた。
「まあ夏だからねー」
意味わかんないんですけどお!!!
姉の適当なまとめ方に、心の中でつっこむ。視界の端に映る、岩泉の裸足は、もじもじしていた。






及川は自室に引きこもっていた。ふてくされていたのである。こんなにもわかりやすくブスくれたのは何年ぶりだろうかと自分で冷静になってしまうくらいのふてくされ方であった。何しろ、まだ幼い甥っ子がトントンとノックしてくれているのに返事もしたくないのだ。
「とおるぅ、いっしょにゲームしようよ」
「岩ちゃんとおかーさんとしな」
「とおる~」
「徹兄ちゃん宿題あっから」
我ながら冷たい。猛は「ん~」と鼻声で唸り、ぐすぐすしながら階段を降りていった。及川は、床に大の字になる。
かき氷は美味だった。
『岩ちゃんの、おれがやる』
と猛は張り切り、昨夜いそいそと及川が用意した氷を削っては「すごいな猛~、ありがとな~」と岩泉にちやほやされ、「岩ちゃんはおれの隣」と言いつつも最終的には膝に乗りに行き、二人で一つのかき氷を食べたりして、「岩ちゃん、俺の部屋行こーよ」なんて小声で誘っても「だめー!!!」って子供独特の大声、高音高反響。
岩泉の身体は綺麗だ。少年のようでいて少女だ。しなやかで危うい。この歳になると、触れたくても触れない。けれどたまさかに重ねてしまう瞬間があるから、覚えてしまう、飲み込んでしまう、そして望んでしまう。するすると、滑るような心地がして、及川の必要に応じて奇跡のように暖めてくれたり冷やしてくれたりする女神の肌だ。夏服は罪だ。
今日は、あの若木のような腕の、可愛いくぼみのある肘を「きゅ」とこの首に回してもらって頬を寄せて、なんなら膝の上にあの上を向いた小振りの丸い尻を乗っけてもらって、「おいかわ」とぐすぐすした声でこの名を呼んでもらい、何度も呼んでもらい、そうしたら彼女のあまいあまい筆舌に尽くしがたいあの清らかでとろける髪の香りを肺いっぱいに吸い込んで、
「だめだ」
及川は、半身を起こした。
「あーだめだ、こんなんじゃ」
手を床に着いて、立ち上がる。暗い色をしているであろう顔をひとつぬぐってから、襖に手を掛けた。







「徹は俺のことキライなのかなあ」
猛が落ち込んでいる。軽んじているように見えて、実は叔父コンなのである。
キライていうかアンタさ、アンタの態度な、と思いつつ、小学生男子の母は実家の箪笥を漁っていた。
「っかしいな~、お母ちゃんこのへんにお茶菓子ストックしてたと思ったんだけどな~、うそ~無い、切らしたことなかったじゃん、もーヤダぁ~」
母親が母親として機能していない。一々相手にしていないだけなのだが、岩泉は焦った。
「そんなことないぞ、猛」
「でも、徹、なんか怒ってる。こわい」
ぐすんっ、と泣きそうな素振り。
猛、と岩泉は呼びながら、両腕を広げた。そこに飛び込んでくる子供を、座り崩した足の間に抱き込みながら、
「そうだなあ、あいつ怒ると怖いからなあ」
「えっ」
猛は驚いて面を上げ、岩泉の思案顔を振り仰いだ。
「岩ちゃん、徹に怒られたことあるの?」
「何年も前の話だけど」
岩泉は眉根を寄せて空を睨み、記憶を手繰り寄せる。
「セットした奴がどうしたのかなんでか、ポールが倒れてきた事があって、あたし及川かばって下敷きになったの。そん時にめっちゃ怒鳴られた、あたし倒れてんのに」
「岩ちゃん大丈夫だったの!?」
「すぐ保健室引っ張って行かれたけど無傷だったよ」
「かっこいい!!!」
「かっこよくねえよ、怪我に繋がる無茶すんのが一番だせえよ」
猛は首を捻る。よくわかんないよ、岩ちゃん。
「何よりもアイツに正論でマジギレされるとか一番ダセエだろ・・・」
「徹よりカッコワルイとか立つ瀬がないもんねえ」
「難しい言葉よく知ってるな猛ー!!!」
岩泉は半ばヤケクソで、勢い良く立ち上がりざま猛を高い高いで振り回す。
「きゃっきゃー!!!」
小学生男子は大喜びだ。ご機嫌が直って何より。
「おれ、やっぱ徹もう一回誘ってくる。徹と岩ちゃんと遊びたいもん」
「おお、猛カッコイイぞ」
「かっこいい!?やたー!!」
テンション上昇の猛に、「あとな、」と岩泉は一つだけ言い含めておきたい。
「及川が猛のことキライなんてねーぞ。あいつは猛が生まれた時に、夜中におばさんのケータイ持ってうちにきて、生後一時間のお前の写真をあたしに見せびらかしながら踊ったんだから」
「踊ったの!?」
「猿のようにな」
「かっこわるーい!!」
大喜びである。
「徹呼んでくるー!」
飛び跳ねるようにして、行ってしまった。
「ふー」と一息つく岩泉。見回すと、及川姉の姿が見えない。
「お姉さん相変わらずマイペースだな・・・」
思わず知らず、両腕で乳を隠しながら辺りを見渡す。
思い立ち、流し場に立った。食べっ放しも何なので、かき氷をいただいた器を洗い出す。勝手知ったる他人の家だ。調理台の上にガラスを重ねて、蛇口の水を止めて横を見れば、及川が立っていた。
「うっ」
亡霊めいたその佇まいに、一歩後退する岩泉。
「お、お前、いつから」
及川は、うろたえる岩泉を茫洋とした視線でしばし見つめ続けていたが、やがて一言。
「・・・・・・いい」
「なにが」
問われれば、少しばつの悪そうな顔になった。
「や、なんでも」
「猛は?」
ぴく、と及川の片眉が上がる。
「え、なんで猛?」
「お前と遊びたいって、二階行ったと思ったんだけど」
「あー、俺、降りて顔洗ってた」
洗面所は一階である。
「え、全然気配感じなかったんだけど、おまえ存在感どうした」
「岩ちゃん猛と遊ぶのに夢中だったから気が付かなかっただけでしょ」
ぷいっと顔を横に逸らす及川。
「膝に乗っけたりして甘やかしちゃ、どんどんつけあがるんだからね」
「それが及川家の血なんだろうな」
岩泉は頷きつつ、
「でも、猛かわいいんだもん」
そう反論する。
くりくりの坊主頭でよく懐いてくれて、素直で聞き分けがよいのだ。
「そーだねかわいいよね」
及川は棒読みで頷くと、食卓の椅子を引いて腰掛けた。その頭に、岩泉は手刀を落とす。
「お前は何をさっきから、機嫌悪くしてんだよ」
いつもは本当に、及川は甥っ子に対して、面倒見が良いのだ。岩泉はその点密かに感心していたのだが、なんだか今日は様子がおかしい。
「かわいいじゃないでしょ」
「あん?」
意味不明の混ぜっ返しに、岩泉の眉間に皺が寄る。
「猛のこと、カッコイイって、岩ちゃんさっき」
「あ?ああ、うん」
言ったがどうした。困惑混じりに睨み付ける岩泉の視線に、及川は下を向いたまま、
「岩ちゃん、俺にカッコイイって言ってくれたことないよね」
「このくらいで腐ってるような奴に何をもってどういう気持ちになればカッコイイって言い表せんだよ」
「せめてもうちょいオブラートに包めないかな!?」
うわっと及川は食卓へ伏した。
「俺だってさっき猛に当たっちゃったからさあ、大人気なかったなあって反省してやり直そうと思ったのにさあ、降りてきたら岩ちゃんと猛でよろしくやってんじゃん」
「・・・・・・」
この末っ子気質の甘ったれ野郎が。と、凹んでいる頭を引っぱたいてやりたくなるが、先ほどの猛を思い出す。俺、岩ちゃんと徹と遊びたいもん、と穢れの無い笑顔、あれは守りたい。
岩泉は、及川の機嫌を取ることにした。
「猛がさ、徹と遊びたい~って言うから、話聞いてたんだよ。おまえの話してたの」
「・・・俺のことカッコワルイって言ってたよね」
「それは、えーとその、そうだ」
岩泉は及川の隣に並んで腰掛けた。
「おまえの部屋行こっか」
突っ伏した及川の肩が、ぴく、と動いた。
「なんかしたい事あるんだろ?」
「し、」
したいことっていうか。及川の声がくぐもる。
「じゃあ、疲れた?」
や、ちがくて、と及川はちょっぴりしどろもどろだ。
「…岩ちゃん、あの、見られなかったって言ってたやつあるじゃん」
「え、何?」
「えっと、アレ」
そう、少しもつれながら及川が口にしたテレビタイトルに、岩泉は目を丸くした。
「え、あれ、録ってたの?」
「や、録ってはなかったけど、岩ちゃん見たそうだったから、ガッコで聞いたら録ってる人いたから」
焼いてもらった、と続ける及川。
なんとなく決まり悪そうに、顔を伏せたままの後頭部が沈んでゆく。
「・・・・・・・・・」
マメな奴だなあ。
岩泉は感動した。どうしたもんだろうか。
そうだ、機嫌を取ってやるつもりなんだった。だったんだが、先にこっちの機嫌を取られてしまった。時々まことに細やかに岩泉に対して、気が利くことをしようとしてくれるのである。なんつってやればいいんだろう、と岩泉はちょっとソワソワし、結果、肘でごつごつと隣に座る及川の脇腹を突き上げた。
「ちょっと痛いな!?」
吼えながら半泣き半笑いで顔を上げた及川は、岩泉が興味深そうなきらきらした眼で自分をじっくり見つめていることに気が付いて、黙る。息を飲む。
「うん、あれな、みたかった」
くすぐったそうな声で、岩泉が小さく告げた。
そう。
そう、そうなの。そうなのか。
「そ、それは、よ、よかった。うん、そうだと、思ってね、や、や、もののついでっていうか大したアレじゃないんだけど」
「嬉しい」
及川は食卓の表面から岩泉の顔を二度見した。君今なんつった?
驚愕の面を浮かべる及川に、岩泉はむっと口をへの字にしながらも、やっぱり眼は嬉しげにきらきらを放っているし頬は甘そうな桃色だ。
「嬉しいだろ」
怒ったように言うものの、ちょっと直視が難しいほどにまばゆく見えて、及川の口元はますます覚束なくなる。
「そ、あの、そう。そうなの」
と、岩泉の視線が、及川から逸れた。彼の背後から、ちまちまと、怯えたような足取りで坊主頭が出てきたからである。なぜ怯えているかというと、その坊主の手には、まっぷたつに割れたディスクが握られていたからであった。三分刈りの頭ごと、顔色が青い。
岩泉の顔も光の速さで強張った。岩泉の顔を凝視していた及川は当然不審がる。
「ん?なに?」
と後ろを振り返らんとする及川の顔を、岩泉の両手がふん捕まえた。
「えっ、なに」
「なっ、なんでも」
強張った笑顔しか出てこない岩泉。側頭部を左右から鷲掴みにされたまま、それでも気になるので背後を見ようと首を動かす及川の頭を、岩泉は思い切り抱き寄せた。むぎゅ、とかウグ、とかの潰れた悲鳴が胸元で上がる。そうして、両手にDVDの残骸をぶらさげて涙を湛えた瞳も黒々と見上げてくる猛へ向け、顎で廊下を指す。あっち行ってろ、の合図である。かなり必死だ。猛は、岩泉の青褪めた真剣な表情と、その岩泉のおっぱいに顔を埋められて硬直している叔父を交互に見て、複雑な顔で頷いた。小さい足を回転させてキッチンから退避してゆく。岩泉は息を付いた。
椅子から浮いていた腰に、及川の手が回る。
ゆるく抱き寄せられて、ぎょっとして岩泉は腕を解放した。いわゆる谷間の部分に抱き潰されていた及川の顔面が、ふは、などと息を付きながら離れていく。岩泉は、胸からはじまって、全身に甘痒いような痺れが広がっていく感覚にうわーっと熱くなった。しまった。バカだ。ばか。ばか。ばか。だからいやなんだ女だなんて。
「岩ちゃ」
「ち、ちがう」
互いに声が震えている。
「ちがうの」
及川が抱き寄せた岩泉の、腰が細い。この人は皮膚から麻薬を分泌しているんだろーかと及川はぐらぐら沸き立つ脳内で考えながら、「そ、そんなに、」と逃さないよう、逃さないよう、腰に回した両手を岩泉の背で絡め合いながら確認した。
「そんなに、なに、あの番組見たかった?」
なんだこの手は。と背後で組まれた及川の手におののきながらも耳から入ってきた言葉に惰性で
「うん、そう、あの番組、見たかったから嬉しくて」
そう、それが嬉しくて。と頷きかけて、
「いや、ちがくて」
怯えた小動物めいて青褪める、猛のいたいけさが蘇る。
「あの、あの、DVDは、わ、わりとどうでもよくて!」
「は!?ええー!?」
驚愕した及川の手が緩む。
「ど、どうでもいいって」
「あの、見たい番組とかじゃなくて」
離れていくものを繋ぎ止めるにはどうしたらいいかわからない、岩泉には、虚勢も冗談も機転もなにもなかった。
「おまえが優しいのが、嬉しかったの!」
及川はウォーターベッドというものを使用したことはなかったが、もしそこにうつ伏せに寝そべったらこんな感触なのかもしれないという、岩泉のDカップだった。
その夢の双丘の向こうで、赤味を増していく頬がぷい、と横に向けられる。直視の難しいまばゆさの瞳が潤んで、黒い睫が伏せられた。
なんとも愛しげな光景だった。ちょっとこの世に存在できていることが信じがたいくらいの危うい愛くるしさだった。及川の心の蔵は縮み上がって震えてから、ばくん、と一つ大きな鼓動を打つ。爆発だ。この人はいつもこうやって俺を、いたぶっていたぶっていたぶって、どうしたいんだっつーんだと何度月に吼えたかもう及川にはわからない。
鉛のような唾を飲んだ。
「い、岩ちゃん」
自分の声が宇宙くらいの遠くから聞こえてくる。
「なんで、俺のこと、だ、だき、ぎゅって、したのよ」
迫った。
迫った分だけ、岩泉は背を逸らして遠ざかろうとした。しようとして、後退を食卓に阻まれる。あ、と声を上げながら、うろたえる様子が、子兎もかくやのいたいけさだった。
「ねえ、なんで」
「ぎゅ、ぎゅって、したかったから、したの!」
半ば叫ぶように言って、岩泉が両腕を差し出してきたのは、及川がけっこうな勢いで食卓に岩泉を押し倒してきたからだ。肩を押し返そうとするそれを握って束ねて横へ押さえ付けると、あっと声を上げて岩泉が目を開けた。
「いっ、痛いよ」
に、逃がすもんか、と及川の頭は煮えあがっていく。この子が悪いだろう、俺のアタマの中をさんざんいたぶったあげくに胸をその可愛いかかとで蹴りとばすような真似を何度だってしてくれやがって、もう、もう、もう、俺にも限界ってもんが。
再度腰を抱き寄せると、自由になった両手で岩泉がぽかぽかと殴り始めるが、動きがぎこちない。混乱と困惑の頂点なのだ。及川の顔面が、また、岩泉の胸元に埋まった。
「ちょ、ちょっ」
ぐいぐいと肩を突っぱねるがびくともしない。
「やだ」
及川の腕に満身の力が宿る。抱きしめられて岩泉の体は軋んだ。胸元が熱い。及川の熱だ。
「お、及川、こわい」
卓と及川に挟まれて潰されながら、岩泉の声が本格的に怯えだす。
及川が、のそりと顔を上げた。目と顔の色がおかしい。
「お前、こ、こわいよ」
岩泉はついに、ぐす、と鼻を啜ってしまう。及川の血走った目と、視線が絡み合った。
岩泉は、リトマス試験紙を思い出した。あのくらいの速やかさで一瞬にして、及川の顔から血の気が下方へ落ちた。蒼白となった面は、岩泉と数秒見詰め合ったのち、次には身体全部ごと下へ崩れ落ちる。
「どうした!?」
気絶したのかと慌てて追い掛けしゃがみ込むと、及川は、土下座をしていた。
「ちょっと」
様子がおかしすぎるので、肩へ触れようと伸ばした岩泉の手が触れるより先に、及川は頭を大きく後方へ振りかぶる。床へ、打ちおろした。
がつん、と火花の出そうな音が響く。
「お、おいやめろ」
「ごめん」
「何がだ、なんだ、大丈夫かどうした」
及川の視線が宙を彷徨う。
「ごめん」
「だからお前、」
「ほんとにごめん」
及川は立ち上がった。思わず後ずさる岩泉に背を向け、よろよろと、しかし速やかに、及川はキッチンから逃走した。






自室の前で、甥っ子が立ち尽くしている。及川の姿を見ると竦みあがった。
「と、と、と、とおる」
「猛」
どうした、と促す及川の顔は幽鬼そのもののようである。
「あ、あの」
と、半泣きでためらう素振りを見せてから、
「ご、ごめ、ごめんなさい」
背後に隠していたものを差し出してきた。例のDVDだ。
「落っことして踏んじゃったの、ごめんなさい」
「いいんだ」
及川は割れたディスクを受け取り、小脇に挟み、甥の小さな両手を握った。
「猛、よくやった、これは、こんな下心は、だ、だめなんだ」
小首をかしげる子供に及川は熱く、「ありがとう」と礼まで述べる。
「これは、俺の、きっ、汚さの、証明だったんだ・・・」
うぐううう、とその場に蹲る叔父の姿に猛は完全におののき、おかあさあああん、おかあさあああんいわちゃああん徹が、とおるがこわいよおおお、と半泣きでその手を振り切り階段を駆け下りてゆく。
「こ、こわいか、やっぱ」
及川はまたも傷付いた顔になる。小さい背中を見送ってから、自室の引き戸を開けた。
煩悩の塊だ。俺は。
こ、怖がらせた。怖いと言わせてしまった。バカだ。どこまで愚かだ。
ふさわしく、ふさわしく、なりたいのだ。お姫様には王子様って決まってるじゃないか、でも、あわよくば、ちょっとくらいつまみ食い、でもって幻滅されてちゃあ本末転倒どころの話じゃない。
ちがう。
俺のことなんかどうでも、どうでも、どうでも。
及川は布団の上に跪き、見えない何かに頭を垂れる。いつも忘れて後から後悔するのだ。岩泉が傷付くと、及川は倍も傷付く。傷付けたのが自分であっても例外にはならない。
「岩ちゃん」
涙交じりの声が漏れたところで、さっき閉めたばかりの引き戸が大音立てて開いた。ガララビシャア!!である。
岩泉が立っていた。
「おい」
と呼ぶ声に恐々振り返って、及川は仁王立ちの意味を初めて知った気がした。
仁王が、立っているから、仁王立ちなのだ。
「なんかムチャクソに腹が立ってきたんだけどよ」
「ひっ」
ずんずん接近されて及川の肩が竦む。
「ご、ごめん」
「何がだ」
「さ、さっきの、あの」
「謝るくらいなら何してんだコノクソ川どんぶらっ」
吼えながら横っ面を殴り飛ばされ、先程とは違う意味で心臓が縮み上がってゆく。涙腺が決壊しそうになるが早まるな、ここで泣くとか、ほんとに男失格だろう、手遅れ気味の匂いもするけれども。
「お、おれ、俺が、怖いですか、岩ちゃん」
及川は、やけくそになった。
「い、岩ちゃんを、怖がらせるような事だけは俺、俺は、ま、守りたかったのに」
岩泉の額に、くっきりと血管が浮かび上がった。
なぜに。とその怒りを感じ取って及川が言葉を途切れさせた刹那、岩泉が及川の、正座した膝を、両手で掴む。割り開かれた。
「えっ、ちょ・・・」
次いで、更に振りかぶった右手を打ち降ろし、岩泉は及川の股間を右手で鷲掴みにする。
「ぴっ」
及川の口から、小鳥のような悲鳴が漏れた。
「おい」
「ぴっ、ぴいっ・・・」
「今おまえの胸の中にある感情の名前を言ってみろ」
「恐怖と絶望です」
「ソレとおんなじだボゲタラがあ!!!」
べちーん!と一発お見舞いしてから一回距離を取り、「いばあああ」と謎の苦悶絶叫をほとばしらせつつ股間を押さえて蹲る及川の頭頂部へ、愛くるしい踵がえげつないスピードで落とされる。
「ふざけんなカスボゲクズゲスうんこ!!うんこ侍!!!たかが乳ひとつでお前と気まずくなるとかムカつきすぎてもうビンタじゃすまねえわ便所に流してやろうか!!!!」
「ち、乳は二つだよいわちゃん」
「わかった今からお前のちんこをもぐ。明日から一緒にスカートはこうなー!!!」
「ごめんなさい!!!やだあごめんなさ、ぴっぴいいいい!!!!!」
階下から、猛が母親を探す声がする。
おかあさん、たいへんだよ、徹がヘンなんだ。それで岩ちゃんが赤鬼みたいになって徹がオカマになっちゃうよお、うえええん、おかあさんどこおおお・・・・・・
少年の切なる声は澄み渡る夏の大空へ吸い込まれ、風に乗り、やがて光となったのである。







近所のパティスリーで見繕ったつやつやのホールケーキを艶やかな箱に収め、ごく上機嫌に実家の門をくぐった及川家の長女を玄関先で迎えてくれたのは、ぼろ泣きしている我が子であった。
「ど、どうしたの猛」
「徹と岩ちゃんがあ、徹と岩ちゃんがあ」
「なに、ケンカ?」
しょうがないなあもう、と幼子に手を引かれるまま、階段を昇って弟の部屋を覗く。
中の有様に、うーん、と唸り声しか出なかった。派手にやりあったらしく、とっちらかった部屋の隅でくっしゃくしゃに乱れきった布団の上、2人が寄り添って寝息を立てている。
どうなっているんだ、そしてどうなるんだ。姉はそっと扉を閉めた。
「ダメだこりゃー」
「なにが?お母さん」
「うん、猛、いざという時は、あんた頑張って。私はじめちゃんだったら妹でも娘でもどっちでもいいから」
「うん?がんばろっか?」
「うんがんばって、いけるいける」
無責任に応援する。
「何をどうしたって、まだジャレ合いの範疇に収められちゃってるんじゃあ、どうかなあってかんじ」
「ん~?」
「ね~、前途多難だよねえ」
猛はまだ色々と得心がいかないらしく、「大丈夫かなあ」と部屋の中の様子を気にしている。
「しょうがないわよ、夏だしね!」
ほら、暑いから!と力技で締め括りにかかる、流石の長女にして一児の母だ。
風鈴の音よりも、蝉の声よりも、打ち上げる花火の爆音よりも、はげしくひたむきに打つものを胸の内に抱いて、今はただひたすらに寝苦しくもなんとなく幸いな、夏なのであった。


おしまい

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