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2024/05/19 (Sun)
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2010/01/01 (Fri)
「キャラメルマン4号」
Comments(0) | Dr.スランプ
キャラメルマン4号こと、オボッチャマンくんはかわいい。
オボッチャマン君はラブコメの波を連れてきたよ。
ていうかオボッチャマンくんは突詰くんになんてこと聞くんだよ。
アラレちゃんとガっちゃんと突詰くんがオボッチャマンくんちに泊まった話で、夜中の男同志の恋話にものっそいきゅんきゅんしました。つ、つくつんてめえちょこっとだけのシーンだったけどまじでありがとう。

それとは関係ないけど、続きに突詰→あかねSSです。










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それはそれは愛らしくも綺麗な花の群れだったのだ。
大切な人になら誰でも見せたいと思うような赤青黄色。
突摘は受話器を握り、番号の釦に人差し指を置いたまま回想していた。
なに簡単な事である。
会いたいと一言素直に言えばよい。
明日は日曜だ。家の中で大人しくしているはずもない、さりとて別段重要な用件も抱えてなさそうな彼女のことだから、誘えば容易につられてくれるだろう。
何か用でもあるのかとかは、問われると思う。花を見せたいと言えばよい。
バカじゃねえのかと毒付きながらも、きっと彼女は一緒に歩いてくれるだろう。拗ねたふりして実のところ上機嫌という、素直でない表情を見ながら色々話す。想像しただけでなんだか心浮き立つ。
「突詰!」
背後から突如、硬いものでどつかれた。
「いてっ!」
振り返ると姉が箒を持って仁王立ち。あれの柄で突かれたらしい。
「電話するならとっととするある。私もかけたいある」
「うわわ、すまないある」
慌てて電話に向き直り、再度釦に指を添えてからふと気付いて、突詰は姉をちらと見た。
「あの、ねえさん」
「何あるか」
「み。…見ないでほしいあるけど」
「気にすることないある」
「き、気になるある」
ふ、と鶴燐は嘲笑した。
「意気地のないこと」
ほほほほほ、と鈴でも転がすような笑い声を残し、軽い足取りで遠ざかっていく姉を、突詰は憮然とした面持ちで見送る。
くそう、ねえさん。
「何でもないある、電話くらい」
今度は迷いなく釦を押す。電話は父親の手製である。天才科学者を自称するだけのことはあって、このぐらいの日用品については、まったく出来に文句のつけようがない。
はたして電話はやはり文句なく、ちゃんと木緑家に繋がった。
「はい、コーヒーポットです」
彼女の声にしてはとても落ち着いている。あおいさんあるな、と突詰は察した。
「すみません、摘あるが、あかねさんは」
「あら突詰くん!」
用件を言い切る前に、ちょっと相手のテンションが上がる。
「ごめんね、あかね今日はいないのよ」
「え?あ、そ、そうでしたか」
「オボッチャマンくん家に泊まるって言ってたわ」

オボッチャマンは一人暮らしである。
ぱき、と突詰の手の中で、黒いプラスチックの受話器が音を立てた。

「そ、そうあるか」
「そうなのよー。まったくとんだ鉄砲玉娘で、ごめんねわざわざ突詰くん」
「いえ、夜分に失礼しましたある」
受話器を置く。
考える。
たぶんきっと、アラレちゃんと一緒ある。
オボッチャマンくんは越して来たばかりでさみしそうあるし、優しい子あるから泊まる言われたら断れないある。しょうがないあるなあ。
「あらー、アラレちゃんどうしたある?」
「みどり先生がおすそわけって、これカレーだよ」
「まあまあ、ありがとさんある」
居間から母親と、隣家に住む少女の会話が洩れ聞こえてきた。
「ア アラレちゃん!?」
「あら突詰、何ですかそんなにあわてて」
「うほほい、突詰くーんこんばんは」
思わず居間へ駆け込むと、アラレから受け取った片手鍋を手にした母親から、きつい眼差しで睨まれた。
「突詰、ご挨拶は!」
「あ、アラレちゃん、こんばんはある」
「いやあ、顔を上げたまえきみい」
いつも何を考えているのか判り辛い同年のはずの少女は、満面笑顔で鷹揚に頷きつつ突詰を許す。
「あかねさんと一緒じゃなかったある?」
「あかねちん?」
アラレは首を傾げた。
「知らないよ」
「あら突詰、変な顔」
「ほんとだー」
あははおほほ、と女二人に笑われながら、しかし突詰は聞いていなかった。
「ちょ」
ぎこちなく、一歩踏み出す。
「ちょっと、出てくるある」
「こんな夜中にどこ行くあるか?」
礼儀にそこそこ厳しいだけで、基本的には放任主義を貫いている母親が、大事そうにカレーを抱えたまま聞いてくる。
「オボッチャマンくんとこある。あ。あの、泊まるかも」
「あたしもいくーっ!」
諸手を上げ、アラレが宣言するのに突詰は、
「是非一緒に行こうある」
こくこくと頷いた。
「まあいいあるけど。あんまりご迷惑はかけないようにね」
「わかったある!」
「いっちきまーす!」
「あわわアラレちゃん待って!」
ばたばたと出立する二人を見送り、無意識に抱えた鍋を撫ぜていた母の耳に、廊下の向こうから娘の悲鳴が聞こえてきた。
「きゃー、電話壊れてるある!」
「えー!?」
摘家の母は慌てて鍋を食卓へ置き、ばたばたと裾を蹴立てて居間を後に板の間を駆け出していた。







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たぶんあかねはピースケタロウと一緒です。あかねとオボッチャマンの二人で場が持つかな

 

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