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2024/05/19 (Sun)
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2013/05/06 (Mon)
「雲ゼルとグレ阿含」
Comments(0) | ES21:双子

スパコミではありがとうございました!
下の合同誌についてですが、大阪でも、

見切り発車 :4号館・H26b
PuniPoni    :6号館Bゾーン・け63b

にて販売いたします。
PuniPoniのちょまさん、ありがとうございます~!



続きに、大分前に書いた 雲ゼルとグレ阿含 を置いてゆきます。
これまだアップしてないですよね・・・?もももししてたらそっと教えて下さい・・・していないはずだけどもう自信がない・・・



 









むかしむかしあるところに、雲ゼルとグレ阿含という双子の兄弟がいました。
双子の家はとても貧しかったので、ある日とうとう幼い双子は、お父さんに森の奥へ捨てられてしまいました。

「我が子を森へ捨てるとは、我が親ながら行く先がない。これからは兄弟二人で生きて行くぞ阿含」
「いんじゃね」

二人は森の中をよちよち彷徨いました。

「む、いい匂いがするな」

お菓子の家が現れました。壁はビスケット、屋根はウェハース、扉はチョコレートでできています。
優しそうなおじいさんがチョコのドアから現れました。おいでおいでをしています。

「胡乱だ。この家といい老人といい怪しすぎる。幼児を狙う悪質な犯罪の匂いがするな、迂回するぞ阿含」
「いんじゃね」

食物は惜しいですが、自分と弟の身の安全が最優先。雲ゼルの座右の銘は、君子危うきに近寄らずと臭い物には蓋です。
弱っても若くて体力のある双子の男子、雲ゼルとグレ阿含はどんどん歩き、ついには街に着きました。

「よし、ここで何とかして暮らしていこう」
「あ゛ー」

こうして二人はいつまでも仲良く暮らしました。





おしまい









ここからは、上の短編?を書く前に、そもそも「成人向けしょたで・・・!」と思って書き始めた雲ゼルグレ阿です。
悪いおじいさん、実は坊主しょた愛好会会員で、雲を会合につれてゆき丸テーブルに乗せ、会員のおっさん数人で雲水をもんだりこねたりくちゃくちゃむちゅむちゅにして泣かせて、阿含が助けに来るとかそういう話にしたかったのですがほんとうに難しくてかけませんでした ので途中で終わってます・・・途中で終わっています








 

昔昔あるところに、貧しい木こりの一家がありました。
その日の暮らしもやっとなくらい、とてもとても貧しい家でした。
戦争があって、仕事も何もかも、ままならないのです。
とうとう家にある食べ物は、黒くて硬いパン1斤だけになりました。
これを食べたら、もう後のことはわかりません。
一家には、双子の息子がおりました。
双子の兄の名は雲ゼル。弟の名がグレ阿含です。(すみません)
弱り切った母親は、夜、父親に相談を持ちかけました。
「このままでは、一家みんな飢え死にしてしまうわ。子供たちを森へ連れて行って、置き去りにしてしまいましょうよ」
「でも、そんなことをしたら、おまえ。二人とも死んでしまうよ」
「このままでは、どうせ皆死んでしまうわよ」
「それもそうだ」
実はこの会話を、双子は扉の陰で聞いていたのです。
夜、ベッドに入ってからどうしても喉がかわいてかわいて、水を一杯飲ませてはもらえないかと、弟と二人で両親の寝室を訪ねてきたのでした。
雲ゼルは真っ青になり、グレ阿含の手を引いて、自分たちの部屋に戻りました。
部屋に入って扉を閉めるなり、雲ゼルはグレ阿含をぎゅっと抱きしめました。
「どうしよう」
「あ゛ー」
阿含は忌々しげに唸りながら、兄の体を抱きしめ返しました。
「おれたち、捨てられる」
何でもねえよ、と言おうとした阿含は、兄が涙をこぼしはじめたので、唾と一緒に言葉を飲み込んで黙りこみました。
「大丈夫だ」
すぐに泣くのをこらえた雲ゼルが、阿含に頬擦りして言いました。
「おれが何とかする。おまえを死なせるものか」

雲ゼルは、きりっとして、部屋の外に飛び出しました。足音を潜めて廊下を過ごし、外へ出ると、森へ続く小道にぴかぴか、星の光に照らされた石ころが光っています。
星と月に照らされるこの時分だけ、まるで宝石のよう。
「きれいだなあ」
その白くて丸い小さい石ころを、雲ゼルはせっせと集めました。
ついてきたグレ阿含も、雲ゼルにならって、ちょこちょこ石を集めます。
やがて雲ゼルのポケットは石でふくらみ、
「そろそろ戻るとしよう」
となりました。
二人は一つのベッドに入り、温め合いながらぐっすりと眠りました。

「朝よ、お寝坊さんたち。今日は森へ、お父様の仕事のお手伝いに行くんですよ」
母親に起こされて、双子は目を覚ましました。
寝巻を着替えて、顔を洗い、朝ごはんに黒パンを食べました。
家から続く小道を歩き、やがて森の深くへ着くと、父親は「さて」と言いました。
「父さんは仕事をしてくるから、おまえたちはここで、薪を集めながら待っていなさい。疲れたら昼寝でもしておいで。仕事が終わったら迎えにくるからね。」
「はい」
双子は行儀よく返事をし、せっせと薪を集めました。
やがてお昼も過ぎ、疲れた二人は身を寄せ合って眠りました。
お腹がすいて目が覚めると、あたりはもう真っ暗でした。しばらく待っても、父親は迎えに来てくれません。
「帰ろう、阿含」
と雲ゼルは言いました。
弟の手を引いて、暗い森の道を歩いてゆきます。
目印は、昨晩に拾った石っころ。家から森まで来る道すがら、雲ゼルはポケットに忍ばせた石ころを、目印に落としてきたのでした。
「阿含、お食べ」
道中雲ゼルは、ポケットから朝食べた黒パンの残りを出して、弟の口に入れたりもしました。
「お父さん、お母さん」
ようやく家にたどり着いた雲ゼルとグレ阿含が戸を叩くと、お父さんとお母さんはびっくりして出てきました。
「まあ、あなたたち、一体どれだけ昼寝をしていたの!?」
母親は怒りながら二人を家に入れ、薄い黒パンと塩の味しかしないスープを飲ませると、すぐに部屋へ押し込めて寝かしつけました。
子供たちを寝かせると、夫婦はまたも相談です。
もちろん、賢い雲ゼルとグレ阿含は寝たふりをして起きていて、そっと両親の寝室までやってくると、聞き耳を立て、中の会話をうかがっていました。
「もう、明日のパンもないのよ」
「どうするんだ」
「もっともっと森の奥深くまで連れて行って、置き去りにするのよ」
「せめて、阿含だけでも残さないか。あの子は聡いし力もある、王さまの兵隊になれるかもしれないぞ」
「それはそうだけど、意地が悪すぎるわ。残すなら、雲水がいい。素直だし、あの子もきっと王さまの兵隊になれるわ。でも、だめよ。雲水を残したら、見つかるまで阿含を探して、まともにならないに決まってる。あの子たちは仲がよすぎるもの。阿含をとっても同じことよ」
「それもそうだ」
二人とも捨てることにしましょう。そう言い合って、夫婦は黙りこくりました。

雲ゼルは急いで家の外に出かけようとしました。ぴかぴかの小石を集めるのです。
しかし、家の玄関は固く閉ざされていました。
「そんな」
これでは、両親に気付かれずに、小石を集めることができません。
雲ゼルは一生懸命他の方法を考えながら、ベッドで眠りにつきました。


「朝よ、お寝坊さんたち。今日もお父様の手伝いに行くんですよ。今日は昨日よりも、もっと遠くへ行きますからね」
朝ごはんの、ほんの一かけらの黒パンと木の実を食べ、父と息子は出発しました。
ぐるぐると、ややこしい道を通ります。
右へ左へ、東へ西へ、もうどちらから来たやら、雲ゼルにはさっぱりわからなくなりました。
昨日の倍も歩いたところで、父親は足を止めました。
「父さんは仕事をしてくるから、おまえたちはここで、薪を集めながら待っていなさい。疲れたら昼寝でもしておいで。仕事が終わったら迎えにくるからね。」
「はい」
双子は行儀よく返事をし、せっせと薪を集めました。
やがてお昼も過ぎ、疲れた二人は身を寄せ合って眠りました。
そして今日もお腹の音で目を覚まします。あたりは真っ暗、ほうほうと夜の鳥が鳴く声だけが聞こえます。
「阿含、帰ろう」
雲ゼルは、グレ阿含の手を引いて歩き出しました。
ところがどうしましょう。来る時にまいておいたはずの、目印がまったく見当たりません。
小石が集められなかった雲ゼルは、かわりにと、朝食のパンと木の実をとっておいて、ちぎっては目印に投げておいたのでした。
ところが森にいるたくさんの鳥たちが、もうすっかりついばんでしまっていたのです。
「どうしよう」
雲ゼルは、おろおろしました。弟の手を、ぎゅっと強く握ります。
「阿含、きっと大丈夫だよ。このまま行こう」
「あ゛ー」
グレ阿含は緊張感なく返事をしました。

行けども行けども、家には辿り着けません。双子はすっかり迷ってしまったようです。日も暮れて、雲ゼルは一度泣きました。グレ阿含は兄を抱きしめ、なんとかなぐさめようとがんばりました。
用意のよいグレ阿含は、ポケットに火打ち石を持っていました。
乾いた木の枝を素早く集めてきて、暖かい火をつけてくれました。
それで二人は、木陰で枯葉にくるまって、なんとか一夜を過ごしました。雲ゼルはこの身に代えても、この優しくて頭のいい弟を、きっと守ってやらなくてはと思いました。
朝になり、二人はまた歩き出しました。もう、おなかがぺこぺこでした。
どこからか、甘くてこうばしい、いい匂いがします。
「何だろう」
双子は同じ形の鼻を、ひくひくと動かしました。
「あっちだ」
「行ってみよう」
転がるように、手をつないで駆けて行くと、開けた野原に出ました。一軒の家が建っています。その家から、ものすごくいい香りがしているのです。
「チョコレート?」
「ビスケット?」
言いながらふらふら近寄っていくと、なんとその家は、壁がチョコレートで、屋根がビスケットでできているのでした。
そこかしこに光る鋲は目を凝らせばキャンディー、窓は砂糖菓子で窓枠はヌガー、煉瓦に見えたものはウエハースやフィナンシェで、漆喰代わりのキャラメルでこてこて積み上げられています。
砂糖やゼリーで化粧されたさくらんぼや苺がきらきら誘っているのに、
「阿含、どうしよう」
と兄が問えば、
「食おうぜ」
と弟は即断します。
「腹が減ってくたばっちゃ、元も子もない」
「そうか」
そこで双子は、心ゆくまで食べました。
こんなに甘くておいしいお菓子は、見たことも食べたこともないのです。
たくさん頬張って、互いの口にも詰め込んで、おいしいおいしいと上機嫌です。
「誰じゃい」
と、お菓子の家の中から声がしました。
「儂の家を齧りよるのは」
氷砂糖でできた擦り硝子の窓を開け、顔を出したのは、一人のおじいさんです。
このおじいさんは、実はひどく悪い魔法使いで、このお菓子の家で子供を引きよせては、捕まえて食べてしまうのでした。
そうとは知らない雲ゼルは、
「ごめんなさい、勝手に食べてしまいました」
ぺこぺこと頭を下げます。
ちなみにグレ阿含は仁王立ちのヤクザ面なのですが、おじいさんは気にもせず、「よいとも、よいとも」とほがらかに答えました。
「お腹のすいた子供にごちそうするのが、わしの楽しみ。さあ、ぼうやたち、お茶でもどうかね。今夜は泊っていくといい」
「ありがとうございます……」
礼の言葉を口にしつつも、雲ゼルのまなこはうたがわしげです。
グレ阿含にいたっては完全に因縁をつけているといっていいてたたずまい。
うさんくせえ。まるで気に入りませんでした。
まったく気には入らなかったのですがしかし、今夜も兄を野宿させるわけにはいきません。
昨夜は運がよかっただけのこと。森には危険な獣がたくさんいるのです。
たとえ獣に襲われたとしても、自分が兄を守り切る自身はありましたが、心身ともに疲れ切った兄は見るも痛々しく、温かい部屋の柔らかい布団で寝かせてやれるなら、それに越したことはないと思ったのでした。

ところがです。朝になって、客間でグレ阿含が目覚めると、隣のベッドに入ったはずの、雲ゼルの姿がありません。
「薬の効きが悪かったと見える。もう目覚めたか」
言いながら、おじいさんが部屋に入ってきました。
「ついてきな。とっとと着替えてからだ」
グレ阿含はおとなしく従いました。逆らっては、兄の身に何が起きるかしれないと直感したからです。



途中だけどおしまい

 

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